CBX1000は1978年にHondaが発表した世界初の市販直列6気筒バイクです。当時のGPレーサーRC166/RC174のDNAを受け継ぎ、市販車として初めて直列6気筒エンジンを搭載しました。圧倒的な存在感を誇る24本のエキゾーストパイプは、まさに機械芸術の極致。エンジン音は「バイクのオーケストラ」と称されました。
1977年東京モーターショーで試作車を初公開。会場は騒然となり、翌年の量産化を世界が待ちわびた。
1978年、排気量1047ccのSOHC直列6気筒エンジンを搭載したCBX1000が登場。105馬力という当時最強のパワーと、6気筒ならではの滑らかな吹け上がりは他のどんなバイクも真似できなかった。
6本のキャブレターを独立で同調させる整備の難しさもあったが、その分オーナーはより深くバイクと向き合うことになった。「CBXを整備できるメカニックは本物」と言われた。
1981年モデルからアンチダイブフォーク付きのプロリンクサスペンションを採用したスポーツツアラー仕様に変更。より実用的になったが、初期型の純粋なスポーツ性を惜しむ声も多かった。
1982年で生産終了となったが、40年以上経った現在もCBXは世界中のコレクターに愛され、状態の良い個体は800万円を超える価格で取引されている。
CBX1000をベースにしたワークスレーサーがBOL D'ORなどの耐久レースに参戦。6気筒の安定したトルクと信頼性の高さは長距離耐久レースに適しており、好成績を収めた。
現在のコレクター市場では、特に1978〜1980年の初期型(フレームNo.前半)が高値で取引される。フルノーマルでレストアされた個体は世界的に希少であり、オリジナルのエキパイセットだけでも高額となる。
Historical Context
第二次オイルショック(1979年)が世界経済を直撃し、省エネルギーへの関心が高まった時代。一方で戦後世代がライフスタイルの豊かさを求め始め、「趣味のバイク」という新しい概念が広まりつつあった。日本では高度経済成長が落ち着きを見せ、個性的な消費行動が始まる転換期だった。
日本の「ナナハン文化」がピークを迎え、より大きな排気量への渇望が高まっていた。ホンダ・カワサキ・スズキ・ヤマハの「四大メーカー」が競い合い、技術革新の速さは世界を驚かせた。CBX1000は「まだ誰もやっていないことをやる」というホンダのDNAが生み出した。
バイクが「移動手段」から「表現手段」へと進化した時代。CBX1000の登場は「趣味のバイク」という文化を根付かせ、後のバイク雑誌・カスタム文化の発展に大きく貢献した。6気筒エンジンの音を聴きにバイクショーに集まる光景は当時の熱狂を物語る。
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