Norton Commando 750は1968年に登場し、Motor Cycle誌のBike of the Yearを前例のない5年連続(1968〜1972年)で受賞した英国バイクの傑作です。最大の革新は「アイソラスティック(Isolastic)マウントシステム」——エンジンをゴムで車体から隔離し、英国バイクの宿命であった振動問題を解決しました。Honda CB750 Fourの登場後も、英国の誇りとして愛され続けた不屈のモデルです。
1967年、Norton開発チームは深刻な問題に直面していた。古いアトラスエンジンの振動は許容範囲を超えており、このままでは市場から退場するしかない。そこでエンジンを車体から完全に隔離するという革命的なアイデアが生まれた。
「アイソラスティック・フレーム」は、エンジン・ミッションをゴム製のマウントで車体から切り離し、振動をほぼ完全に遮断した。乗り手に伝わる振動は従来比で約80%削減。一躍、英国バイク界の話題をさらった。
1968年、Motor Cycle誌のBike of the Yearを初受賞。翌年1969年にはHonda CB750 Fourが登場し、世界を揺るがしたにもかかわらず、CommandoはさらにBike of the Yearを重ね、1972年まで5年連続という空前絶後の記録を達成した。
1973年に排気量を850ccに拡大したCommandoはさらに性能を向上。しかし労働争議と経営難に悩むNortonの末路は変えられず、1975年に会社は解散した。Commandoは英国バイク黄金時代の「最後の傑作」として歴史に刻まれた。
カナダのピーター・ウィリアムズがCommandoをレース仕様に仕立て、1973年のマン島TT・フォーミュラ750クラスで優勝。英国バイクの名誉を守り続けた。プロダクションレースでも数多くのクラス勝利を収めた。
アイソラスティック・ゴムマウントの劣化が最大の整備課題。交換用パーツは専門ショップから入手可能。初期型750ccと後期型850ccで価値は異なるが、ともにクラシックバイク市場での人気は高い。
Historical Context
1968年は世界が揺れた年——パリ五月革命、プラハの春、ケネディ暗殺の翌年、ベトナム反戦運動の高まり。若者の怒りとエネルギーが世界を変えようとしていた。英国では「スウィンギング・ロンドン」の終わりとともに、産業構造の転換期を迎えていた。
Commandoが登場した1968年は英国バイク最後の輝きの時代。Honda CB750(1969年)が業界を革命する直前、英国車はまだ世界のスタンダードだった。アイソラスティック・フレームによる振動問題の解決は、英国エンジニアリングの創造性を世界に示した。
Motor Cycle誌のBike of the Yearを5年連続受賞(1968〜1972年)は空前絶後の記録。CB750登場後も英国文化の自尊心として愛され続けた。現代でもCommandoは「振動こそが英国バイクの鼓動」という哲学の象徴として、世界のクラシックバイクファンに愛されている。
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