1960年代のロンドン、エースカフェに集まった若者たちが生み出したカフェレーサー文化。速さと美しさを追求するカスタムスタイルは、今なお世界中のライダーを魅了し続けている。
1960年代のロンドン。ロックンロールが街に溢れ、若者たちは自由と速さに憧れていた。彼らが集まったのが、ノースロンドンのエースカフェ。24時間営業のこのカフェは、バイク乗りたちの聖地となった。
レコードが終わるまでに戻れ
カフェレーサーの名前の由来は、カフェからカフェへ全速力で走り抜けるレースにある。ジュークボックスでレコードをかけ、曲が終わるまでに一周して戻ってくる。それが彼らの遊びだった。危険で無謀だが、そこには純粋な速さへの渇望があった。
彼らのバイクは、速く走るために徹底的にカスタムされた。不要なパーツは取り外し、ハンドルはクリップオンに交換。シートはシングルのバックレスト付きに。タンクは膝で挟みやすい形状に加工。すべては「速く、美しく」という哲学のために。
世界に広がるカフェレーサー文化
カフェレーサー文化は英国から世界へと広がった。日本では1970年代に独自の進化を遂げ、「族車」文化と融合しながら独特のカスタムシーンを形成。アメリカでは2000年代以降、ヒップスターカルチャーと結びつき、新たなブームを巻き起こした。
現在、トライアンフ、ロイヤルエンフィールド、ドゥカティなど多くのメーカーが、カフェレーサースタイルの市販車をラインナップしている。60年以上前にロンドンの若者たちが生み出したスタイルは、時代を超えて愛され続けている。速さと美しさへの憧れは、いつの時代も変わらないのだ。
